発達障害に関する話



このページではイマジナリーフレンドとは関係がありませんが、発達障害の方と関係している事もあり、
別枠で扱いたいと思っていた項目ですので 興味がある方はお付き合いください。

まず発達障害のお話をする前に全ての精神障害に関して気を付けたいことが1つあります。
それは「二次障害」=もとの障害に対する対応や支援の不足が原因で、
新たに鬱病や統合失調症などの症状が新たにみられるようになると言った、
本来の障害とは別に新たに引き起こされる障害、が起きる可能性があるという事です。
先天的、一次的な障害に関しては現に起こってしまっているものなので、
診断が下った以上向き合っていく必要がありますが、
二次障害は読んでいただいて解るように本来抱える必要のなかった障害になります。
また二次障害の防止の糸口は案外周りの協力や本人の意思で改善出来る距離にあります。

二次障害の具体的な原因となるのは、
障害の認識が当事者自身や学校、家庭に行き届いていないための、
いじめ、孤立(これらは引きこもりや不登校や薬物、アルコール依存に発展する可能性があります)といったこと、
必要な支援の不足、失敗の積み重ねによる自己評価の低下、
逆に当事者自身の改善の機会を奪ってしまうほど必要以上に周りが手助けしてしまうことなどです。
これらに注意することが出来れば、二次障害に関わる事は無く
不要なトラブルや本人が嫌な思いをする環境を避けることが出来ます。
そしてそのために必要なのが、まず自分の障害や特性を自分で認識すること、
そして障害への対処方法を自分なりに模索して、どうしようもなくなった際に、
どのように対処すれば早く問題を終わらせられるかを知ることです。
そして周りの人間もある程度は、その障害について知識を持っていることです。
最初から総てのことを考えるのは難しく辛いことですので、当事者も周りも、
自分に出来るペースで、問題に向き合っていきましょう。

さて、発達障害に話を戻します。
最近アスペルガー、ADHD、広汎性発達障害、自閉症、学習障害、
といった名前を目にする機会が多くなりました。
これらの障害は性質の違いがありますが、自閉症スペクトラムという大きな括りに入り、
また発達障害、という名目で扱われています。

発達障害は障害と言うよりは、先天的な「性質」に近いものです。
障害の原因は脳の神経伝達物質にあると言われていますが定かではありません。
この障害を持つ人はクラスに1人くらいの割合で存在します。
家庭によっては特別支援学級に入って支援を受ける方もいれば、
普通学級で定型(通常)発達者と一緒に社会生活をする方もいます。
この障害の人は普通の人とは少しばかり物の捉えかたや思考の進め方が違います。
大雑把に言うと、人の気持ちが理解しにくい、会話の意味が解らない、状況が読み取りにくい、
暗黙のルールが理解しにくい、皮肉が解らない、目線があわせにくい、コミュニケーションが独特で困難な時がある、
同時に2つ以上の事をするのが苦手、というコミュニケーションや理解の独特さ、
そして強いものごとへの拘り、集中、興味以外への無関心、予定外の事に対するパニック、
反復行動(同じことを繰り返す)や常同運動、といった特性が見られます。
先天的なものなので子供のうちから症状は出ますが、家庭では手が掛かる程度と思われる程度で、
あまり気付かれないこともあります。
しかし大人になるにつれて社会に適応することに問題を抱え、対人関係に苦労する場合もあります。
何か特別な障害があるというわけでも無いので、ぱっと見ただけでは分からず、
他人の不信や誤解を招くことも往々にしてあります。


発達障害の方は驚くほど率直で素直な方が多く、
しばしば本などで得た知識をそのまま現実に当てはめて解釈することもあります。
普通の人が考えたらそれは雰囲気で解るだろう、ということは発達障害者には理解しにくく、
知らずに問題を起こして意味が解らないまま叱責を受けるということがしばしばあります。
社会性や協調性、集団行動や人間関係に関する事や、
一度にたくさんのことをやることは苦手な方が多いですが、
反面ある一定の分野には驚くほどの知識を持っていることがあり、学者になる人も多く存在します。
ですからそのような「弱い面」に関することがあると予め解っているのであれば事前に説明をしたり、
何か頼んだり伝えたりするときであれば1つずつ「○○をしてください」
「○○さんは○○しましたか?」といった端的な文章でコミュニケーションを図ると
当事者の方は状況を飲みこみやすくなります。
いつ、どこで、何をするのか、何をしてはいけないのか、
手順はどのようなのか、こういったことを確定させることが重要です。
なので言葉だけの説明で理解しにくいようであれば、紙に書いたり、カードにして覚えたり、
図や表で端的に表す(これらは「構造化」と呼ばれる作業です)ということをします。
勿論実際社会でこの環境が常備されていることは期待できませんので、
事前に練習できる場所で練習を重ねておくことも必要です。
無理のない範囲で社会の場に少しでも足を踏み入れコミュニケーションやルールに慣れる機会を設けること、
その際にはこの障害への理解があり、
当事者の日常の疑問に答えを与えられる環境を整えることが可能であればなおさら当事者の助けになります。
先天的な脳の器質の異常である以上、成人しても治るものではありませんが、
発達に偏りがあるということが発達障害の主たる問題ですので、そこを支援していくことが出来れば、
特性である特定のものへの拘りや知識の多さを生かして仕事において高い業績をあげることも可能です。
何かしら問題が起きたときに関して、
対応する側も感情が高まって叱咤したり強く当たりますとますます意思疎通が困難になって、
自己否定感だけが当事者に残ってしまいますので、
平然と構え、何が悪かったのかを端的に指摘して弱い部分の理解を促しつつ連携を取ってもらえれば幸いです。
この障害に関しては、教育や日常の経験が功を奏す部分が多く、
自分の特性を意識しながらこの障害と上手に付き合うようになっていく方も見ます。
発達障害に気付いた、あるいは疑わしいと思った時点で、
まず障害そのものへの当事者と周りの正しい理解と、その特性に合った生き易い生き方の模索、
社会で問題を起こさないための最低限のマナーやコミュニケーションの仕方の練習、などに取り掛かってもらえると
後々大きな失敗などを原因に二次障害を引き起こすことなく、
自分らしい生き方が出来るのではないかと思います。

以上が発達障害に関するこのサイトの意見です。
発達障害に興味のある方は現在文献等が多数出ていますので、詳しい事はそちらを参考にして下さい。
発達障害に関しては多くの情報を提供できると思いますので、もし何かお困りのことや気になることなどがありましたら、
メールでお願いしますm(..)m

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